任意後見と法定後見について
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高齢者の財産管理の手法としては、任意後見制度と法定後見制度という2つの手法があります。どちらの制度も、高齢者が、その判断能力が不十分になった際に社会生活上必要な契約や遺産分割手続などの法律上の問題を処理する場合に、本人に代わって成年後見人が契約等の必要な行為を行い、本人を保護し、その権利を擁護しようとするものです。
もっとも、法定成年後見の場合は単に高齢者を対象としての財産管理制度というわけではなく、精神上の障がいや知的障がいにより判断力が十分でない方々の利用も想定している点で、制度としてのキャパシティーが広いともいえます。
任意後見制度と法定後見制度の違いについて
(1) 任意後見制度は、①本人が元気(十分な判断力のある)うちに自ら選任した者に対し、本人が高齢等により判断力が不十分な状況になった際の療養看護および財産管理等に関する事務を委任する契約(=委任契約)を結び、②家庭裁判所が「後見監督人」を選任したときから、任意後見契約の効力が発生する。③この任意後見契約は、公証役場において公正証書で作成する必要があります。(任意後見契約に関する法律第2条、第3条、第4条参照)この制度は、委任する本人が、まだ十分に判断力がある時点では自身で財産管理を行い、その後、自身の判断力が低下した時点で初めて任意後見人による保護を受けようとする場合を想定した制度といえます。
(2) 一方、法定後見制度は、任意後見制度が当事者間の契約によって後見人を選ぶものであるのに対し、家庭裁判所の手続(民法第7条、第843条参照)により後見人等を選任してもらうことになります。
両制度の特徴と関係について 任意後見制度の特徴は、誰に将来の自身の財産管理を委ねるか、委任者本人が選択、決定することができ、また、選んだ任意成年後見人の権限の範囲を自身で限定することもできる点にあります。
この点、法定成年後見の場合は、誰を成年後見人とするかについては、法定成年後見の開始申立の際に推薦することは可能でしょうが、裁判所はその推薦に拘束されることなく合理的裁量に基づき、家族以外の第三者(弁護士等)を選任することができます。
また、任意後見制度においては、必ず任意後見監督人が選任されなけらばならず、任意後見監督人が家庭裁判所により選任されて初めて任意後見人の仕事が開始されるという意味で、その財産管理についてダブルチェクが入るという関係になります(この点、法定後見制度では、後見監督人の選任は「裁判所が必要と認めるとき」(民法849条の2)に限られます)。
両制度の関係は、一般的に言えば、法定後見は、本人の判断力が既に失われてしまったか、又は不十分な状態になり、自分で後見人を選ぶことが困難になった場合に利用されるものと言えるでしょう。
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内閣府の調査結果によると、平成25年10月1日現在の日本の総人口1億2730万人に占める65歳以上の人口割合(高齢化率)は、25.1%(3,190万人)に達しているとのことです。このような高齢化の進展に伴い、高齢者の財産管理をいかに行うかは、本人にとっても家族にとっても重大な課題です。これに対応する制度について、簡単に解説してみます。